僕の視線に気付いているのか、いないのか。
それはわからない。でも、嫌悪の表情ではない。
単に気付いてないだけかも知れないけど。
いずれにせよ、
僕のせいで出勤時間を変えたわけではなかったようだ。
少なくとも嫌われてはいない。
とはいえ全ては僕の勝手な妄想で、
あの人は僕を全く認識していない
という可能性も未だあるのか？
あれだけ凝視してれば見られてる
という認識はある気もするが・・・
会えない時は、見るだけでもと思い。
普通に会えれば、隣に座って欲しいと望む。
隣に座ってくれれば、さらに欲求はエスカレート。
叶う筈ない望みが湧き起る。
これで良いのかも。
「足るを知る」だ。
悲哀と侘しさが僕を包み無気力が襲ってくる。
生きてる事が平板になってしまう。
音楽への感受性も変化する。
もはや、加藤ミリヤやPerfumeではなく、
平沢進「BLUE LIMBO」が相応しい。
失う事は解放される事。
ただ、その解放先は苦い虚しい自由でしかない。
荒廃した焦土の拡がる荒れ地だ。
なのに、今日あの人は居なかった・・・
単に休み？風邪？
まさか、昨日の僕の挙動の何かが嫌になり、
出勤時間を変更してしまった？
大きな不安と懼れが僕を包み込む。
幸せだった昨日。
隣にあの人が居たのに・・・
大きなギャップ。空虚な喪失感。
ひょっとして2度と見る事すら叶わないのでは。
その答えは来週にならないと判らない。
つらい週末になりそうだ。
今日もヘアーバンドだ。って思ったけど、
ググって見ると正しい名称はカチューシャ。
すごくカワイイ感じ、胸がときめく。
いつものひっつめ髪だと可憐な耳たぶが見えるけど、
今日の髪型だと隠れてみえないのが玉にきず。
じっと見てはいけないと思いながらも、横目でチラ見。
あの人が眼をつむってから、しばらく凝視してしまう。
今日はとても寒い。
あの人も珍しくパンツスタイルにショートブーツ。
客観判断では、あまり似合ってると思わないけど、
心を奪われてしまってるので、何でも良く見える。
まさに「恋は盲目」とは言い得て妙。
この恋はどこにも通じてない事は、重々承知の上で、
それでも、ときめきは湧いてくる。
こんな時は、Perfume「５７５」が合います。
あの人が乗ってくる前、期待と不安とで緊張の俺。
今日はどっちだろう？
隣に座ってくれれば嬉しさで舞い上がる俺。
幸福感は会社に行ってからも続く。
駄目だった場合は、絶望感に包まれ恨めしく見つめる俺。
絶望感も一日続く。
毎日、この繰り返しだ。
振り回されてる俺。
しかも、相手はその事に気づいてすらいない。
いや、実は気づいているのか？
期待を込めて見つめる僕の方を、
あの人はちらっと見たように思えた。
見たから、あの位置で座ったのかも。
なんか疲れた・・・
Perfume「願い」こんな気分にぴったりのもの悲しい曲です。
